第 3 章
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清く正しい本棚の「材料編」
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ver 1.06 (2003.10.21)
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■ 建材店に行く 材料のサブロク合板は、いわゆる「材木屋」に行って仕入れることになる。建築用の 木材を扱う「建材店」と呼ばれる店を探せば良い。この材木屋は我々の近所でも簡単に 見つかるはずだ。実は、材木屋にはもう一種類、家具などの材料である「堅木」を扱う 専門店があるのだが、こちらは店の数がそれほど多いとは言えないので、我々にはやや 馴染みが薄いかも知れぬ。 建材店と言うと、どうもその道の「プロ」相手にしか商売していないような雰囲気が あって少々近寄り難い気がするが、実際にはそうではなく、我々素人が直接出向いても 快く小売りをしてくれるものだ。どちらかと言えば、やや小さめの建材店の方が人情味 あって良いと思う。色々と相談にのってくれる親父がたくさんいて、私も昔はずいぶん 勉強させてもらった。 材料を買う時には、実際の「現物」を自分の目で見て、自分なりに納得してから購入 することが肝要である。最初は判らないだろうが、何軒かの建材店を回っているうちに 見えてくるものは確かにある。表面の汚れ、材料の密度、ソリの具合、さらには材木が 保管されている周囲の様子など、チェックすべきポイントも自然に判ってくるだろう。 なお、最近はDIYのホームセンターなどにもサブロク合板が売られている。値段も 安くてお手軽だが、だからと言って「特売品」に手を出すことだけは止めた方が良い。 ホームセンターは様々な流通ルートを駆使して、いわゆる「粗悪品」を客引きに徹する ためだけの「特売品」と称して山積みすることがある。滅多にないことだが、500円 ケチっただけでどうしようもない「粗悪品」をつかませられて、木ネジが効かずに大変 苦労することも起こり得るから、このあたりには是非とも注意が必要だろう。 ■ サブロク合板の種類 合板の中でも、もっとも種類が多いのはいわゆる「ベニヤ合板」というヤツである。 このベニヤ、21ミリ厚なら強度も十分で、値段も非常に安いのは魅力的だが、表面の 仕上げがまったくなされていないので塗装時には大変苦労する。大昔に、スピーカーや ステレオラックなどをこの「ベニヤ合板」で作ったものだが、塗装時の表面仕上げには いつも死ぬほど辛い思いをさせられた。 本棚を作る材料として、私のお勧めは「ランバーコア材」と呼ばれる合板だ。これは 非常に美しい「シナベニヤ」という材料で、集成材を両側からサンドイッチにした合板 のことである。これを使うと、塗装時の表面仕上げが非常にラクである。普通のベニヤ 合板に比べると若干お値段が高いのが玉にキズだが、それでもあの「地獄の目止め」が 不要になるなら、全体を通して十分にその元は取れるだろう。 |
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いわゆる ベニヤ合板 (21ミリ)
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これが ランバーコア材 (21ミリ)
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なお、まだ私が使ったことのない材料として、ごく最近「パイン集成材」と呼ばれる 棚板材料が出回っているようだ。「集成材」とは言うものの、木目が非常に美しいのが 最大の特徴で、あれに透明ニスでも塗ったら素晴らしい作品が出来上がるに違いない。 材料の密度が大きく、同じ板厚なら「ベニヤ合板」よりも強いと聞いたが、本当かな? ちょっとWebを調べてみたら、この材料で各地の愛好家の皆様方がため息の出るほど 素晴らしい作品を作っておいでである。私も、いつかは挑戦したい材料だ。 ただしこの「パイン集成材」は、サブロクの大きさのモノが品薄なようだ。私自身は ホームセンターで1度だけ、サブロク状態のモノを見たことがある。厚さは20ミリと いうお話だったが、次に同じホームセンターに行った時にはもう在庫が無かった。もし 将来に亘って同一規格のモノの入手が保証されていれば良いのだが、現状では、今まで 述べてきた本棚の「規格化」の面から、本格的な採用はまだ難しいのかも知れない。 ■ 裏板は、完全な1枚モノとすべし 本棚の主材料は「21ミリランバーコア材(シナベニヤ)」で決まりだが、背面に貼る 裏板はどうするか? これは一番安いベニヤ合板で構わない。厚さは、2.5 ミリあれば 十分だと思う。もちろん裏板が厚ければ厚いほど、出来上がる本棚は丈夫なものになる はずだが、2.5 ミリ厚の上ともなると4ミリ厚であり、これは自作本棚の全体強度から 考えるとややオーバースペックな気がする。むしろ、ここで大切なことは、材料の厚さ よりも裏板の「貼り方」の方なのだ。と言うのも、清く正しい本棚においては「裏板は 完全な1枚モノとすべし」という非常に重要なセオリーがあるからである。 市販品の本棚の場合、裏板は棚の1段毎にバラバラに別れていることが多いが、これ ではまったく裏板が全体強度に寄与しない。裏板を棚板や側板に掘られた溝にハメ込む ような構造だと、手で触っただけで裏板がグラグラ動く本棚さえある。こういう裏板は 単なるデコレーションに過ぎない。清く正しい本棚の場合、裏板全体を1枚モノ合板で ピーンと貼るからこそ、裏板が「モノコック構造」の重要なパーツとなり、全体強度に 最大限に寄与するのである。 この「引っ張り」の方向に対しては、材料は比較的薄くても十分な強度を発揮する。 私が「裏板材料は 2.5 ミリ厚で十分だ」と言った理由もそこにある。 |
■ 材料の裁断のお話 さて、サブロク合板は建材店で手に入ったが、これを切るのはあくまでも「プロ」に 任せるべきである。スピーカーやラックなどのいわゆる「箱モノ」、あるいは食器棚や 本棚などの「棚モノ」、どちらの製作であっても、その製作工程の中で何よりも重要な こととは各部の「直角」精度をキープすることなのだ。その意味で、材料の裁断こそが この直角精度を出す「一番最初で最後の難関」であって、こいつに我々素人がノコギリ 片手で挑戦するのは、ほとんど「狂気の沙汰」としか言いようがない! 特に、本棚の 場合には何枚もある棚板の長さを完全に揃えることが肝要で、例えば1段目と2段目の 棚板の長さが仮に1ミリでも狂っていたら、おそらく最上段ではこの誤差が莫大な狂い として拡大されてしまうだろう。そんな本棚には、どこにも「直角」が無いはずだ。 つまり、サブロク合板の裁断とは、我々が「日曜大工」の範疇で実現出来ることでは 決してない!ということなのだ。実は、ここんところを「誤解」している方々は意外に 多く、あくまでも自分で板を切らなきゃ「日曜大工」とは言えない、という風潮が世の 中に存在するのは誠に残念なことである。 ある男[*2]は、私に向かい「自分で板を切らない日曜大工など、日曜大工と言っては ならない!」「半ドンなら、これからは土曜大工と言え!」とまで迫ったが、私自身は 自分の日曜大工を土曜大工だと言われても、一向に構わない。しかし、その男の作った テーブルは、お世辞にも立派な仕上がりとは到底思えないごく平凡な作品なのである。 むしろ自分で板を切るからこそロクなモノが出来上がらず、それ故に日曜大工は、世間 から「労多くて甲斐なし」などと言われちゃうのではあるまいか? ズバリ、清く正しい本棚の材料は「建具屋」に裁断を依頼すべきである。建具屋とは 古くから障子や襖などを扱ってきたその道のプロであり、最近ではもっぱら注文家具を 製作しているところでもある。もちろん、加工の正確さでは「折り紙付き」だと言える だろう。まず、この建具屋をアナタの近所で探し出して欲しい。大きな作業場があって その周囲に(注文?)家具とおぼしき作りかけのタンスやテーブルなどがあれば、一応は アタックしてみる価値があるだろう。 [*2] 小学校時代からの、唯一無二の「竹馬の友」だ ■ 清く正しい職人の見分け方 先日描いた「木取り図」を手に添えて、にこやかに笑いながら こう聞いてみる。 「おたくでは、サブロクを コンマ5で切れますか?(^_^)」 万が一この質問に職人が答えられなかったとしたら、残念ながらそこで材料を切って もらうことは諦めた方が良い。質問の意味すら判らない様子なら、なおさらその職人は 怪しい人だから敬遠すべきである。 「サブロクを コンマ5で切る」と言えば、それは「サブロク(合板のタテの1820 ミリ)を コンマ5(ミリ以下の精度)で切る」という意味だ。この要求を呑めないような 建具屋は、清く正しい建具屋だとは到底言えない。「ウチはコンマ2で切っちょる!」 などと大見得を切る職人なら信用しても良く、「そんなこと、当たり前じゃねぇか」と 言わんばかりの顔をして、無愛想に木取り図を覗き込んで来たかと思ったら、こちらの 質問には一切答えず、「のこしろは何ミリ取ってあんだ?」などと「核心部分」だけを 不機嫌そうに尋ねてくる職人こそ「本物」である(^_^)。 材料の切断は、全面的にその 職人の腕に頼らせて頂くことにしようではないか。 通常、この手のお願いはその職人の「ご好意」に甘えるところが大きく、あくまでも 本業の「合間」に切ってもらうのだということは忘れてはならない。当然ながら材料の サブロク合板は木取り図と共に先方に預けて帰り、「いつでも良いですから手の空いた 時にでも裁断して下さい」と、お願いすべきだろう。 ■ 裁断料金のお話 材料を裁断してもらったら、なにがしかの謝礼をせねばならない。その見当としては 昔から「ひとふり100円」と言って、タテでもヨコでもノコギリをくわぁ〜んと1回 走らせた分を100円、として計算すれば失礼も少ないと言われてきた。本棚の材料を 裁断してもらう場合には、ざっと2000円程度かな? 裁断が済んだ材料を受取りに 行く時に、職人に「タバコ10箱」をお礼に持参しても良いかと思われる。 ……とまぁ、今書いたのは実は「昭和時代」のお話だ。思えばあの頃は実に牧歌的な 時代であった(しみじみ)。最近では、建具屋と言えども「会社組織化」されているのが 常識で、我々がそこで働く(サラリーマン的)職人とサシで一対一の取引を行なうことは ほとんど絶望的である。職人が「好意」で私の材料を裁断してくれることなど無いのと 同時に、その職人が私からの「謝礼」を自分の懐に仕舞うこともまた無いわけである。 我々としては少なくとも裁断を依頼する時点で、その正式な裁断料金を建具「会社」の 社長あたりから聞き出しておく必要がある、ということだ。 こんなことを書くのは、私自身過去に苦い経験をしたからだ。会社の友人の同級生が やっている木工所を紹介してもらい、ガキの「2段ベッド」をこしらえる材料の裁断を 依頼した時のことだ。依頼時点では友人の話で盛り上がって、キチンと裁断料金を約束 しなかったのである。あとで裁断の終わった材料を受け取りに行った時、「職人1人の 1日仕事だった」と言われて、その職人の日当(だと言う)相当額を取られてしまった。 なんと!その金額は「4万円」である。相手は会社の友人の同級生であるから、下手な いざこざは起こせない。泣く泣く4万円払って、私は「総額7万円」でガキのベッドを こしらえたのである。材料費よりも高い裁断料って、一体なんだったの?(^_^;) そういうわけだが、私がたまたま今回裁断を依頼した建具屋は、実に良心的な料金で 材料を裁断してくれた! なんとサブロク1枚が1500円だ。本棚を2本作る本講座 では、サブロク合板を3枚切るから裁断料は「4500円」となる。この金額は現在の 物価状況に照らしても、実にリーズナブルなお値段だと思われよう。 なお、最近のホームセンターでは、決められた料金体系で材料の切断をやってくれる ところがあるようだ。場合によっては、利用して良いサービスなのかも知れぬ。ただし ホームセンターの裁断係はあくまでも裁断「係」であって、先に述べたような職人とは ほど遠い「素人」だ。中には、客の大切な材料をアルバイトの学生に切らせている店も ある。そんなことなら、カネを払っても良いから「わしにその機械を貸せ!」と言って やりたいくらいだ。というわけで、私はホームセンターの裁断サービスなど「まったく 信用していない」ことも付言しておこう。 ■ 材料受け取り時の注意 裁断が終わったら、建具屋の方から連絡をよこしてくれるはずだ。早速、受け取りに 行こう。ここでチェックすべきことは、バラバラになった材料パーツの「数量」だ。と 言うのも、きちんとした木取り図さえ渡しておけば裁断の精度自体はまったく心配する ことがないのに対して、パーツの「数」の方は向こうの勘違いで行方不明だったり他の 置き場所に放置されたままだったりする可能性があるからだ。 先の木取り図の場合、側板(長)が4枚、側板(短)も4枚、棚板はまったく同じサイズ のものが20枚、最後にハカマが6本あるはずだ。この辺まではあらかじめ勘定して、 その内容を諳んじられるようにしておきたい。また、これ以外に「余り材」が出てくる はずだから、それらもすべて「最後のひとかけら」まで受領しよう。この「余り材」は 断じて「不要パーツ」などではない! 後々の工程で便利な道具や材料に化けてくれる アナタの貴重な「財産」なのである。 本物の建具職人ならこの辺の事情を熟知しているから、こちらが言わずともすべての 材料をキチンと整理して1ケ所に固めてくれているはずだ。材料明細をすべて暗記して 行き、その場でお互いにキチンと確認し合うのは、そんな清く正しい建具職人に対する 最低限の「礼儀」だろうと私は思う。 ■ う〜ん、良い仕事してますなぁ(^_^) こうして「本物の」建具職人に切ってもらった材料は、そりゃもう見事なほど正確な 寸法で仕上がってくる。20枚ある棚板をキチンと重ねると、それらがまるでひとつの ブロックのように、寸分違わず積み上がるほどだ。この切断の完了した状態の材料さえ 入手出来れば、清く正しい本棚は「半分以上が、出来上がったのと同じ」と言えるかも 知れない。以下に、その様子をご紹介しておこう。 |
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搬入した本棚の材料 (4本分)
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右の棚板は ブロックに見える
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清く正しい本棚の、最初にして最後、最大の「要(かなめ)」とは、材料の裁断なり! どうか、肝に銘じておいて頂きたい。 |
■ 木工ボンドを買う 清く正しい本棚の組み立て方は「単純明快」だ。棚板に木工ボンドを塗り、木ネジで 締め上げる! たったそれだけだ。面倒な「ほぞ組み」などは一切しない。清く正しい 建具職人が切ってくれた材料を使うから、これだけでキチンとした直角と十分な強度が 確保出来るのだ。 よって、我々としてはまず、ホームセンターで「木工ボンド」を買うことにする。 木工ボンドは、我々にもお馴染みの接着剤である。「酢酸ビニル樹脂エマルジョン系 接着剤」というのが正式名称だが、木材・石膏ボード・紙・皮・発泡スチロールなどの 幅広い材料を接着することが出来る。水溶性で白色だが、乾くと透明になる。最近では 特に「速乾タイプ」と称する製品もあるようだ。これの500グラム入りチューブでも 買っておけば、たぶん忘れるくらい長持ちするはずだ。 ■ 木ネジを買う 次に「木ネジ」を買う。 木ネジ(もくねじ、と読む)とは、その名の通り木材を締め上げるネジである。ホーム センターで、頭が平らで、先のとがったネジを探せば良い。太さと長さで様々な種類が あるが、材質ではステンレス製が非常に強いらしい。それを信じた昔の私は、もっぱら ステンレス製だけを好んで買っていた。しかし、実はステンレスはお値段が非常に高い のである。鉄製のヤツの、2〜3倍くらいはする(^_^;)。木ネジの「強さ」とは、要は 太さと長さで決まると思うから、最近の私は材質より見た目で頑丈そうなヤツを選んで 買っている。今回使ったのは、鉄製で、太さ4.8ミリ×長さ90ミリというヤツだ。 ホームセンターでは、ネジ類が5〜6本づつ小袋に入った製品を見かけるが、我々の 本棚作りでは想像以上に大量の木ネジが必要である(ざっと計算しても、以下の通り)。 1段2本 × 両側2倍 × そんな棚10段 × そんな本棚2本 = 80本! というわけで、だいたい「100本」を目安に買っておきたいところだが、この本数を 先の「小袋売り」で揃えると非常に高くつく。しかし、探せばきっと「箱売り」商品が あるはずで、こちらは断然お安いから「超お勧め」である! 写真の徳用箱は200本 入りで わずか497円だった!(^_^) |
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木工ボンドと 木ネジ「徳用箱」入り
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これが 4.8×90 ミリの木ネジ
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■ 木工パテを買う かなりあとの工程になるが、本棚作りの後半の醍醐味に「塗装工程」がある。我々が 作る本棚は美しい「ランバーコア材」で出来ており、そのままでも絶対に使えないかと 言うとそうではない。しかし、塗装することでより清く正しい本棚となること請け合い だから、ここは腹をくくって是非とも塗装することにしよう。 まず「木工パテ」を買う。後述するが、これは木ネジの頭や材料の隙間などを埋める 充填材である。私がよく使うのは商品名が「ウッドパテ」というヤツで、これはどこの ホームセンターでも売っている。色に「タモ」と「ラワン」の2色があって、私は今回 ラワンを買ったが、もしかしたらタモの方がより白くて良かったかも知れない。実際の 作業では意外にたくさんの分量を使うから、ちょっと大きめのチューブを買うと良い。 |
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木ネジの頭や隙間を埋めるパテ
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■ 本命の塗料を買う! さて、次はいよいよ「本命」の塗料を買う! 塗料には、大別すると「透明塗料」と 「不透明塗料」の2種類がある。 透明塗料:塗ったあと、下地が透けて見える塗料。ニスやステインなど。 不透明塗料:塗ったあと、下地が見えなくなる塗料。いわゆるペンキなど。 どちらを選ぶかはお好み次第だ。私自身はこれまでせっせと「不透明」のペンキばかり 塗ってきたという経緯があり、ステインなど「透明」塗料を使った経験は実は少ないと 言える。なぜなら昔は、日曜大工でお手軽に使える材木に「美しい木目」を持つモノが とても少なかったから(だと思う)。前述の「パイン集積材」などを使うなら、是非とも 美しい木目を活かして透明塗料を使いたいところだし、ランバーコア材なら不透明塗料 の方がアラが目立たなくなるので良いかと思う。 ■ 塗料は油性か?水性か? もうひとつ、塗料には「油性」と「水性」という、2種類の分類方法がある。これは その塗料の溶剤が何か?を表す分類だ。大昔は、塗料と言えば「油性」が常識だった。 どんな塗料でもシンナー系の「専用薄め液」が必要だったのである。これは匂いが大変 強くて、塗ってる時には頭がクラクラしたものだ。しかし、最近流行の「水性」塗料は 文字通り「水道の水」だけで薄められる。匂いはまったく無く(超微臭らしい)、ハケや 塗り皿などの後片付けが水洗いだけで終わるなど、非常に便利なものとなった。まこと 近年の塗料業界における「革命的産物」だと私は思う。 というわけで、最近の塗料は「油性」よりも「水性」の独壇場だ。大昔の水性塗料は 塗りやすさの面で性能的にイマイチだった記憶もあるが、今回塗った水性塗料は非常に 使いやすかった! 塗料売り場では、いまだに「油性はねぇのか?」と店員に向かって 尋ねている(プロとおぼしき)人を見かけることもあるが、我々としては、迷わず「水性 塗料」の中から「透明」か「不透明」かを買っておけば安心だ。 |
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水性塗料 (ペンキとステイン)
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■ 塗料の分量について 塗料売り場で「どの位の分量が必要だろう?」と迷うことがある。我々はサブロクを 切って本棚を作る。一方塗料の缶には、その内容量で塗れる面積を「畳何枚分か?」で 示した表示があるはずだ。本棚は最初の材料の「裏表」を塗ることになるから、材料の 枚数を2倍すれば良い。つまり、清く正しい本棚を2本作る場合には、サブロク合板を 3枚使うから、塗料は「畳6枚分」塗れる分量が必要だ、ということになる。 なおこの計算には「裏板」の面積を勘定に入れていない。また「2度塗り」の考慮も 入っていないので、もしもご不安なら、これより若干大目の塗料を買っておけば良いと 思う。しかし、あとで述べるように、我々は「塗料は必ず薄めて使う」から、今までの 経験上から言っても、塗料は本体面積分を塗れるだけの分量で十分に足りるようだ。 ■ その他の買い物について 以上で、ほとんどの買い物は終わった。まだ買っていないものと言えば、塗装作業で 使う「ハケ・紙ヤスリ・耐水ペーパー」などだろう。これらについては、実際に塗装を 行なう第5章で、その内容を詳しく述べる予定である。 次章はいよいよ、清く正しい本棚の「組立編」に突入だ! 乞うご期待!(^_^) |